精霊ネラの物語 ─

心の奥に、誰にも見せたくない影がある。
それを人は「闇」と呼び、恐れるけれど……
ほんとうは、そこにこそやすらぎがあるのかもしれない。
静けさに包まれた森の奥深く。
そこに棲む精霊ネラは、夜の闇のように気配を消しながら、
人の心にそっと寄り添い続けています。
これは、ふたりの青年と一柱の精霊が紡いだ、
「闇を受け入れること」の意味を問いかける物語。
そして、傷の中に宿る小さな光を見つけ出す——そんな再生の記憶。
誰の心にもある“静かな場所”を、
ネラの祈りとともに、今、そっと開いてみませんか。
ブラックブネラ


『闇に咲く、眠りの花 ― 精霊ネラの物語 ―』
第一章　闇の心に棲むもの
精霊ネラは、遠い昔から静かに存在していました。
その姿は夜に溶け、声は風に紛れるほどに繊細で静謐。
人の心の奥深く——誰もが目を背けたくなる影の部分に、ネラは棲んでいます。
人はそれを「闇」と呼び、時に恐れました。
けれどその闇は、消すべきものではなく、ただ抱きしめられることを待っていたのです。
ある日、二人の青年が森で出会います。
どちらも心に影を抱えながらも、互いに惹かれ、共に過ごす時間の中で
かすかな光を分かち合うようになっていきました。
だが、心の闇は静かに忍び寄り——
ひとつの誤解が、彼らを引き裂いてしまうのです。
________________________________________
第二章　ネラと対話する森の夜
傷ついた青年のひとりが、深い森をさまよっていました。
涙をこらえ、怒りに震えるその胸に、ぽつりと語りかける声。
「その痛みは、あなたが大切にしてきた証」
現れたのは、影のように佇む精霊ネラ。
ネラはただ静かに、青年のそばに寄り添い、
言葉ではなく、沈黙と共に「心の対話」を始めたのです。
夜が深まるごとに、青年は自らの心と向き合い、
傷の奥にある愛や恐れを知るようになります。
そして気づくのです。
本当に恐れていたのは「闇」ではなく、
闇に触れた自分自身の弱さだったと——
________________________________________
第三章　後悔と再会の小径
時が過ぎ、青年は森を抜けて町へ戻ります。
もう一人の青年に、あの日伝えられなかった言葉を届けるために。
戸惑いながらも、互いに過ごした時間を思い出し、
言葉では足りない想いが、ふたりを再び結びつけます。
「君に出会えてよかった」
「僕も……君がいたから、闇を越えられたんだ」
ふたりはもう以前のようには戻れないかもしれない。
けれど、新たな歩みを始める決意だけは確かにあったのです。
________________________________________
第四章　ふたりの約束、森を出る朝
森に戻ったふたりの青年は、再びネラに会いに行きます。
そこにいたのは、やわらかく微笑むネラの姿。
「闇は、あなたたちの敵ではない。
　それはあなたたちの一部であり、静かな力なのです」
ネラの言葉に導かれ、ふたりは最後に約束を交わします。
——自分の心に誠実であること。
——そして、誰かの闇にもそっと寄り添える人になること。
朝の光が差し込む中、森を後にするふたり。
その背に、ネラの静かな祈りが送られていました。
________________________________________
最終章　光と闇のはざまに咲く、眠りの花
ネラの本当の姿は、花のようでした。
夜に咲き、誰にも見えず、そして人の心に香りだけを残していく花。
闇は終わりではなく、
再生のための静かな眠り——
眠りの中で、人は夢を見ます。
その夢こそが、希望の芽となることをネラは知っていました。
だからこそ彼女は、闇の中で静かに咲き続けるのです。
誰かが自分の痛みを認めたとき、そっと寄り添えるように。
「闇があるからこそ、光を信じることができる」
——それが、精霊ネラが世界にもたらす、唯一の祈りでした。

COCORO_M
・材料　鉄
・表面処理　塗装　ブラック
・ソラフラワー　3本
・アロマ　ヒノキ
・蓄光　樹脂
・サイズ　約横12ｃｍ　約幅10ｃｍ　約高さ19ｃｍ
・蓄光　樹脂

※　名入れ　ベースの部分　10文字以内　無料

✱　木霊詩生（こだま・しせい）✱

森の奥からそっと届く、心のささやきを紡ぐ語り手。
精霊や妖精たちの物語を、香りや色、形にのせて届けます。
日常に小さな魔法とやすらぎを添える、癒しのクリエイター。

#精霊ネラ
#美ジタク物語
#COCOROネラ
#闇に咲く花
#自分を受け入れる
#心の再生
#そっと寄り添う
#大人の癒し
#静かな時間
#感情に寄り添う
#bijitaku
#fairystory
#インナービューティー