秋の訪れと共に、森の中でひときわ美しく紅葉を迎えたイオナンタがありました。小さな花を咲かせ、その鮮やかな赤色が、まるで夕暮れの空のように森を彩ります。その花は、ただの植物ではなく、風や空気を感じ取ることができ、深い感受性を持つ特別な存在でした。

この森には、夢を届ける妖精のメルが住んでいます。彼女は、秋の夜、森の静けさに包まれながら、動物たちに温かい夢を送る仕事をしていました。ある夜、風に誘われるように森の奥へ足を運んだメルは、イオナンタの紅葉を見つけました。

「こんなに美しいイオナンタが、秋の空気を感じ取っているのね。」メルは息を呑み、葉の上で光る小さな花々を見つめました。その花々がふわりと香り、風に揺れる度に、メルの心に温かな思いが広がります。

突然、イオナンタから優しい声が聞こえました。

「私は秋の風と共に生きている。風が運ぶ温かな光や冷たい夜の風を感じるたび、私は色を変え、花を咲かせる。」

メルはその言葉に胸を打たれ、イオナンタの花が夜空の星のように輝く様子を見ました。

「あなたは、風の中で生き、夢を見ているのね。」メルは言いました。「でも、私はあなたと一緒にその夢を見てみたい。」

イオナンタは少しの間静かに揺れ、そして再び答えました。「私は風と星々と共に夢を見ている。でも、あなたと一緒にその夢を共有できたなら、それはきっと、私の最も美しい花となるだろう。」

その瞬間、風が静かに吹き抜け、イオナンタの花々が一層輝き始めました。メルはそっと手をかざし、イオナンタと共に、秋の風と共鳴するように夢を見始めました。イオナンタの花の中に、メルの届ける夢が溶け込み、二人の心が一つになっていくのを感じました。

その夜から、メルとイオナンタは秋の風とともに、空気と自然の中で深い結びつきを感じながら、互いの夢を分かち合うようになりました。

※　夢の妖精　メル（Mel）優しい夢を運ぶ妖精
※　エアープランツ　イオナンタ
※　台座　バーク（バークのサイズは12～20ｃｍ）